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Meta、ブランド保護ツール「Brand Rights Protection」を刷新 UI改善と“詐欺広告”の一括申告に対応

Metaは2025年8月11日(米国時間)、Facebook/Instagram上の知的財産(IP)侵害やなりすまし対策を支援するダッシュボード「Brand Rights Protection(BRP)」をアップデートしました。今回の刷新では、詐欺・誤認を招く広告を“IP不使用”でも一括申告できる新ワークフローや、申告~削除要請の操作画面の簡素化、レポート検索・表示の改善などが加わっています。
何が新しくなったのか(要点)
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スケール対応の“詐欺広告”報告
BRPに登録済みの企業は、ブランドのロゴや画像などIPを直接使っていない広告であっても、「Other(その他)」という違反カテゴリを使って詐欺/ミスリード広告を一括申告可能に。ブランド名の権威づけを悪用する手口への対処がしやすくなりました。
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削除要請(Takedown)体験を再設計
申告フローのステップが短縮され、レポート画面の検索・フィルタ(メール、キーワードなど)が強化。ステータス表示も読みやすく更新され、進捗把握が容易になりました。
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AIイメージマッチングの活用
参照画像(製品写真など)を基に、アプリ横断で“類似画像”を自動検出。偽商品や無断転用の見逃しを抑止します。
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実効性の指標
Metaは2024年に詐欺・スキャム関連ポリシー違反で、広告コンテンツ1.57億件以上を削除したと説明。取り締まりの規模が示されました。
企業側の実務インパクト
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ブランド毀損と顧客被害の早期抑止
IPの直接侵害に限らず、“ブランド名らしき表記”や“似せたオファー”による誤認誘導広告も、まとめて申告→審査要請できるため、被害拡大前の封じ込めがしやすくなります。
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法務/CS/マーケの連携効率化
検索・フィルタ機能とステータス表記の改善で、部門横断の進捗共有が容易に。対応履歴のトレースや再発傾向の分析もはかどります。
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偽商品・転用画像のモニタリング強化
AIイメージマッチにより、掲載面を横断した画像ベースの検出が可能。カタログの新規投入や季節商品でも、参照画像の追加→自動監視の流れを回せます。
使い始め方のヒント
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BRPへの登録状況を確認
まだ未導入なら、Meta Business経由でBrand Rights Protectionの申請/利用開始を。既存ユーザーはAdsタブの**違反カテゴリ「Other」**を確認し、詐欺広告の基準例(誘導先の不正、返金不能条件、虚偽レビュー等)を社内で共有しておくと運用が速まります。
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参照画像のメンテナンス
主要SKU、限定版、パッケージ更新など最新の製品画像を定期追加。イメージマッチの精度を高め、検出漏れを減らします。
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対応体制の整備
一次審査(CS/マーケ)→法務レビュー→申告のSOPを作成。レポート検索・フィルタを活用し、週次のダッシュボード確認を習慣化しましょう。
背景:プラットフォーム全体で高まる対策圧力
近年、Metaプラットフォーム上の詐欺・なりすまし広告は社会問題化しており、取り締まりの強化や透明性向上が求められてきました。今回のBRP刷新は、スケールする監視と通報の仕組みを企業側に提供し、詐欺広告の早期発見と除去の“共助”アプローチを強化する位置づけです。
まとめ
今回のアップデートにより、「IP侵害」だけでなく「誤認・詐欺広告」も含めたブランド保護が、より実務的かつ迅速に行えるようになりました。
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“Other”カテゴリでの一括申告
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UI/検索の改善とステータス可視化
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AIによる画像検出
これらを組み合わせ、被害の予防・拡大抑止・記録整備までを一気通貫で回せます。まずはBRPの設定と社内SOPを見直し、参照画像の更新と週次モニタリングを始めるのが実装の第一歩です。